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年末調整とは何か? わかりやすく解説

執筆者の写真: 人材ビジネスコンサルティング
人材ビジネスコンサルティング
10月26日
読了時間: 6分

毎月の給与から引かれている所得税は、実は「だいたいの金額」です。年収や控除が年末まで確定しないため、会社は概算で税金を差し引いています。


そのズレを年末に精算する手続きが、年末調整です。


会社員やパート、アルバイトとして働いている人にとっては、確定申告よりも身近な税金の手続きです。書類を書くのが少し面倒に感じるかもしれませんが、仕組みを知ると「なぜ必要なのか」が見えてきます。




俯瞰で見た家庭の食卓に給与明細と電卓が置かれている様子



年末調整とは何をする手続きなのか


年末調整とは、会社が従業員の1年間の給与や控除を確認し、正しい所得税額を計算し直す手続きです。


毎月の給与からは、源泉徴収という形で所得税が引かれています。ただし、その時点では1年間の正確な収入や控除がまだ分かりません。


たとえば、年の途中で次のような変化があることがあります。


  • 扶養家族が増えた

  • 生命保険に加入した

  • 地震保険料を支払った

  • 配偶者の収入が変わった

  • 住宅ローン控除の対象になった


こうした内容は、最終的な税額に関係します。年末調整では、それらをまとめて反映し、払いすぎていれば還付、足りなければ追加徴収します。


つまり、年末調整は「会社が行う所得税の精算」と考えると分かりやすいです。



なぜ毎月の所得税と実際の税額に差が出るのか


給与から引かれる所得税は、国税庁の税額表などに基づいて計算されます。会社は毎月の給与額や扶養人数をもとに、一定のルールで源泉徴収します。


ただ、年の途中ではすべての事情を反映できません。


たとえば、生命保険料控除は1年間に支払った保険料をもとに計算します。年末にならないと正確な金額が分かりにくいものです。


また、扶養控除や配偶者控除も、対象者の年間所得が関係します。年の終わりに近づいてから、ようやく判定できるケースがあります。


そのため、毎月引かれていた税額と、1年分を正しく計算した税額に差が出ます。この差を放置しないために年末調整があります。



年末調整の対象になる人


年末調整は、主に会社などから給与を受け取っている人が対象です。


一般的には、年末時点で勤務していて、会社に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人が対象になります。


一方で、次のような人は年末調整だけでは終わらないことがあります。


ケース

必要になりやすい手続き

副業の所得が一定額を超える

確定申告

医療費控除を受けたい

確定申告

ふるさと納税でワンストップ特例を使わない

確定申告

年の途中で退職し、再就職していない

確定申告が必要な場合あり

複数の会社から給与を受けている

確定申告が必要な場合あり


年末調整は便利な仕組みですが、すべての控除や所得を処理できるわけではありません。自分の状況によっては、確定申告も必要になります。



年末調整で確認される主な控除


年末調整では、所得税を計算するうえで重要な控除を確認します。控除とは、税金を計算する前に所得から差し引ける金額のことです。


代表的なものは次のとおりです。


控除の種類

内容

扶養控除

扶養している親族がいる場合に関係する控除

配偶者控除

条件を満たす配偶者がいる場合の控除

配偶者特別控除

配偶者の所得が一定範囲にある場合の控除

生命保険料控除

生命保険や個人年金保険などの保険料に関する控除

地震保険料控除

地震保険料を支払った場合の控除

社会保険料控除

国民年金保険料などを自分で支払った場合に関係する控除

住宅ローン控除

一定の条件を満たす住宅ローンがある場合の控除


特に生命保険料控除や地震保険料控除は、保険会社から届く控除証明書が必要です。紛失すると再発行が必要になるため、届いたら保管しておくと安心です。




目線の高さで見た封筒と保険料控除証明書が食卓に並んでいる様子



年末調整の流れ


年末調整の流れは、勤務先によって少し違います。紙の書類を提出する会社もあれば、オンラインで入力する会社もあります。


一般的には、次のように進みます。


  1. 会社から年末調整の案内が届く

    提出期限や必要書類を確認します。


  2. 申告書に必要事項を記入する

    扶養家族、配偶者の所得見込み、保険料などを記入します。


  3. 控除証明書を添付する

    生命保険料控除や地震保険料控除を受ける場合は、証明書を提出します。


  4. 会社が年間の税額を計算する

    1年間の給与、賞与、控除をもとに所得税を計算します。


  5. 給与で還付または追加徴収される

    多くの場合、12月または翌年1月の給与で反映されます。


還付があると、給与の手取りがいつもより増えることがあります。反対に、追加で徴収される場合は手取りが減ることもあります。



年末調整と確定申告の違い


年末調整と確定申告は、どちらも所得税を正しく計算するための手続きです。ただし、担当する人と扱える内容が違います。


年末調整は、会社が従業員に代わって行います。給与所得を中心に、会社が把握できる範囲の控除を反映します。


確定申告は、本人が税務署に申告します。給与以外の所得や、年末調整では扱えない控除がある場合に必要です。


代表的な違いは次のとおりです。


項目

年末調整

確定申告

手続きする人

会社

本人

主な対象

給与所得者

個人事業主、副業がある人、控除を追加したい人など

時期

年末ごろ

原則として翌年の申告期間

扱える内容

給与と一部の控除

所得全体と幅広い控除


会社員でも、医療費控除や寄附金控除を受けたい場合は、年末調整後に確定申告をすることがあります。







書類を書くときに気をつけたいこと


年末調整の書類では、見込み額を書く場面があります。たとえば配偶者の年間所得などです。


このとき、分からないからといって適当に書くのは避けたいところです。実際の金額と大きく違うと、後で修正が必要になることがあります。


特に確認したい点は次の3つです。


  • 氏名や住所に誤りがないか

  • 扶養家族の所得見込みが正しいか

  • 控除証明書の金額をそのまま転記しているか


迷った場合は、勤務先の担当部署に確認するのが確実です。税制は変更されることがあるため、前年と同じ書き方でよいとは限りません。


なお、この記事は一般的な情報をまとめたものです。個別の税務判断が必要な場合は、税務署や税理士などの専門家に確認してください。



年末調整は税金を正しく整えるための仕組み


年末調整は、毎月の給与から概算で引かれていた所得税を、1年分の収入と控除に合わせて正しく計算し直す手続きです。


ポイントはシンプルです。


  • 毎月の所得税は概算で引かれている

  • 年末に正しい税額を計算する

  • 払いすぎなら戻り、不足なら追加で払う

  • 控除を受けるには正しい書類と証明書が必要


書類の名前は難しく見えますが、やっていることは「税金の年末精算」です。控除証明書を早めに保管し、勤務先の締め切りに合わせて提出すれば、手続きはぐっと進めやすくなります。


 
 
 

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